Azure Cost Management の AWS コネクタが廃止されることになったので、削除してみた
いわさです。
Microsoft Azure にはコストを監視・管理出来る Cost Management というサービスがあります。
この Cost Management は実は AWS から CUR を取り込んでマルチクラウドのコスト管理サービスとして使えるようにする AWS コネクタという機能があります。
この AWS コネクタですが、残念ながら先日廃止スケジュールがアナウンスされました。
廃止スケジュールですが、まず 2024 年 3 月 31 日に新規コネクタの追加機能が削除されます。もうすぐですね。
この時点ではコネクタ作成ができなくなるだけで、既存のコネクタは引き続き利用が可能です。
そして、1 年後の 2025 年 3 月 31 日に既存コネクタについても利用が出来なくなります。
移行先は提供されていないので自分でどうにかする必要がある
現在利用中のユーザーの方は、1 年以内に新しいマルチクラウドコスト管理のソリューションへ移行する必要があります。
Microsoft からは本アナウンスと併せた移行先の案内はありません。また、AWS 側でもマルチクラウドのコスト管理機能は本日時点で提供されていません。
そのため、この機能が必要なユーザーは独自で作り込んだコスト管理アプリや、あるいはサードパーティのマルチクラウドコスト管理サービスなど移行先の検討から始める必要があります。
ちなみに、私は Azure のコストを 1 日 1 回エクスポートして AWS の S3 バケットへ転送し、Athena + QuickSight で可視化させてます。
なにかお勧めのソリューションがあれば、是非コメントをください!
コネクタを削除してみる
AWS コネクタの料金は発生し続けるので移行後はコネクタを削除する必要があります。
上記手順では Azure で対応すべき項目についてしっかり書いてあるのですが、AWS 側でも Azure に対して CUR を公開するような IAM ロールを作成しているはずなので、不要な IAM ロールは削除したほうが良いです。
本日は私の環境で AWS コネクタなどを削除してみたのでやったことを紹介します。
AWS で IAM ロールの削除
コネクタを削除する前に、コネクタが使用している IAM ロールを特定して先に IAM ロールを削除しておきましょう。
IAM ロール自体の削除は後でも良いのですが、コネクタを先に削除してしまうと IAM ロールが特定しづらくなります。
Azure ポータルで Cost Management へアクセスします。
AWS コネクタを選択し、「編集」メニューを押下します。
ロール ARN メニューから IAM ロールの ARN を取得することが出来ます。
この情報からどの AWS アカウントのどの IAM ロールが AWS コネクタで使われていたのか把握出来ると思います。
ARN を確認出来たら、該当の AWS アカウントへアクセスし IAM ロールを削除しましょう。必要に応じてロールにアタッチされているポリシーもこのロールでのみ使っているようであれば削除します。
Microsoft 公式ドキュメントに従って Connector for AWS をセットアップしている場合は専用のポリシーを作成しているはずです。
Azure で AWS コネクタの削除
Azure 側では Azure ポータルから Cost Management にアクセスしコネクタを削除します。
関連して予算やアラートも削除すると良いですが、今回は最低限のコネクタ削除までを行いました。
こちらはただ選択して削除するだけです。
削除されました!
さいごに
本日は Azure Cost Management の AWS コネクタが廃止されることになったので、削除してみました。
Microsoft Azure 側だけでなく、AWS 側の掃除も忘れないようにしましょう。
この統合のために CUR の設定を行っている場合は、継続して必要かもご確認ください。
マルチクラウドのコスト管理機能はなかなか良いコンセプトだと個人的には思っていたのですが、廃止になってしまいました。
AWS 利用料金の 1% が Azure 側で利用料金として発生するというのが個人的にはちょっと使いにくかった感じがしていますが、マルチクラウドコスト管理機能の良いソリューションが欲しいところですねぇ。